介護福祉士の資格手当・処遇改善加算【制度解説】
介護福祉士の手当には「資格手当」と「処遇改善加算」がある。どちらも給与に直結する重要な制度だが、施設によって支給状況が大きく異なる。本記事ではそれぞれの制度の中身、相場、加算Ⅰ取得施設の見分け方を整理する。
介護福祉士に支給される主な手当
| 手当の種類 | 相場(月額) | 支給根拠 |
|---|---|---|
| 資格手当 | 5,000〜20,000円 | 施設独自の規定 |
| 処遇改善加算 | 15,000〜80,000円 | 介護報酬の加算制度 |
| 特定処遇改善加算 | 10,000〜50,000円 | 介護報酬の加算制度 |
| 夜勤手当 | 4,000〜8,000円/回 | 就業規則 |
| 役職手当 | 10,000〜30,000円 | 就業規則 |
資格手当の相場と施設による差
資格手当は施設独自の規定で支給されるため、金額の差が極端に大きい。同じ介護福祉士の資格を持っていても、月5,000円の施設と月20,000円の施設では年12〜18万円の差がつく。
- 大手法人・社会福祉法人:資格手当 月15,000〜20,000円が多い
- 中小民間施設:月8,000〜12,000円が中心
- 一部の零細施設:月5,000円以下、または0円のところも
求人票を見る際は「資格手当:あり」だけでなく、具体的な金額が明記されているかをチェックしたい。
処遇改善加算とは
処遇改善加算は、介護職員の賃金改善を目的として2012年に始まった介護報酬の加算制度。施設が一定の要件を満たすと、介護報酬に上乗せして加算が支給され、それが職員の賃金に充当される仕組み。
加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの違い
| 区分 | 要件 | 1人あたり月額相当 |
|---|---|---|
| 加算Ⅰ | キャリアパス要件3つ全て+職場環境等要件 | 約37,000円 |
| 加算Ⅱ | キャリアパス要件2つ+職場環境等要件 | 約27,000円 |
| 加算Ⅲ | キャリアパス要件1つ+職場環境等要件 | 約15,000円 |
加算Ⅰと加算Ⅲでは月額で2万円以上、年収換算で25万円もの差が出る。
出典:厚生労働省「介護職員処遇改善加算等に関する基本的考え方」
特定処遇改善加算とは
2019年に追加された「特定処遇改善加算」は、勤続10年以上の介護福祉士を中心に、より手厚く支給する制度。月額平均で約8万円のベースアップが制度上保証されている。
ただし、施設内で配分する際の優先順位は「勤続10年以上の介護福祉士」が最優先、次に「他の介護職員」、最後に「他職種」となっている。中途採用で勤続年数がリセットされる場合は、加算の恩恵を受けにくいケースもあるため注意が必要。
加算Ⅰ取得施設の見分け方
加算Ⅰを取得している施設は、以下の特徴を持つことが多い。
1. キャリアパス制度が明文化されている
「介護福祉士→主任→サービス提供責任者→ケアマネ」のような昇進ルートと、それぞれに対応する給与テーブルが就業規則・人事制度として明示されている。求人票やWebサイトに「キャリアパス制度あり」と記載がある施設は加算Ⅰ取得施設の可能性が高い。
2. 研修制度が充実している
加算Ⅰの要件には「資質向上のための計画策定と研修の実施」が含まれる。年間研修計画が立てられ、外部研修への参加が業務として認められている施設は加算Ⅰ取得の可能性が高い。
3. 給与表が明確で経験給がある
加算Ⅰには「経験・資格等に応じた昇給」が要件として含まれる。年功序列でも能力給でも構わないが、給与表が明示されているのが加算Ⅰの目印。
4. WAM NET で確認できる
独立行政法人福祉医療機構が運営する「WAM NET」(wam.go.jp)の介護事業所検索で、各施設の処遇改善加算取得状況を確認できる。事業所詳細ページに「処遇改善加算Ⅰ」「特定処遇改善加算Ⅰ」等の表記があれば取得施設だ。
加算取得施設を効率的に探す方法
WAM NETでの個別検索は時間がかかる。介護専門の転職エージェントは施設ごとの加算取得状況をデータベース化しており、希望条件として「加算Ⅰ取得施設のみ」と指定して紹介を受けることもできる。レバウェル介護のような専門エージェントは、こうした加算情報を提供してくれる窓口の一つだ。
まとめ
- 介護福祉士の手当は「資格手当」「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」が主軸
- 資格手当は施設によって月5,000〜20,000円の幅
- 処遇改善加算Ⅰと加算Ⅲでは年25万円の差
- 特定処遇改善加算で勤続10年以上の介護福祉士は月8万円のベースアップが制度上保証
- 加算Ⅰ取得施設の見分け方:キャリアパス制度・研修制度・給与表の明示・WAM NET確認